それはつまり、やっぱり一緒に戻ることは出来ないということだ。


決してあたしを真っ直ぐに見ようとはしないその瞳にはどこか諦めめいたものさえ映し出されていて、やるせなくなる。


マサキの決意はもう変わらないのか。


それでもあたしは――。



「…帰らない。」


「あ?」


「今更ひとりで帰るつもりなんてないし、マサキが戻らないならあたしもここにいるから!」


これ以上、何も出来ないままに失うことに比べたら、そっちの方がずっと良い。


あたしの言葉にマサキは一瞬驚きを見せるが、すぐにハッと乾いた笑いを浮かべ、



「馬鹿じゃねぇの?」


けれど、吐き捨てるようなその言葉とは裏腹に、彼の声色は震えていた。


マサキはテーブルの上のものを一瞥する。


そこに置かれていたのは、色褪せたお守り。


一瞬、あたしが落としたものかと思ったけど、でも良く見るとそれは、汚れ方に違いがあった。


唇を噛み締めたマサキは、



「…だからお前には会いたくなかったのにっ…」


絞り出されたその台詞。


彼はガッ、と床を殴った。


と、その時、ドタドタと階段を駆け上がる音が聞こえ、バンッ、と部屋のドアが開いたかと思うと、先ほどのヨウさんが血相変えた様子で飛び込んできた。



「おい、お前ら大変なことになってるぞ!」


「…え?」


「良いから早く、テレビつけろ!」