「急いで来てくれたのですね。汗かいてます」
優しく微笑むとハンカチで汗を拭いてくれた。
「あ、汚いですよ!」
ピタッとお嬢さまの手が止まった。
「心配しましたわ」
「え?」
ギュッと俺に抱きついた。
「お、お嬢さま?」
驚く俺とは逆にお嬢さまの力は強くなる。
「事故にあったんじゃないかって、思って心配しました」
今にも泣きそうな声で言った。
現実そんなことないって言いそうになったけど
「ありがとう」
優しくお嬢さまの頭を撫でた。
「浅野さま、汗の匂いがしますね」
「え!あ、臭いですね!すみません」
「いえ、浅野さまの匂い好きです」
お嬢さまは天然なのかサラッとすごいことを言う。
その破壊力はお嬢さまはわからないだろう。
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