俺はまたしても走っている。
時間はとっくのとうに過ぎている。
怒って帰っちゃったかな?
お嬢さまの通っている学校に着いたのはいいが
「すげー…」
正門から見える学校は遠くてお城みたいなとこだった。
「浅野さま!」
反射的にビクッとして振り返る。
お嬢さまが腕を組んで立っている。
「あ、お嬢さま…」
待っててくれたのは嬉しかったけど
さすがに怒るよなあ~
早歩きでこっちに来て俺を見上げ
「なんで電話したのに出てくれなかったのですか?」
全然気づかなかった。
「すみません…走ってて気づかなくて」
そう言うと優しく俺の頬を触った。
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