「浅野くん、ちょっといい?」
放課後になって隣のクラスの女子に呼び止められた。
「えーっと…今日じゃなきゃ、だめ?」
「お願い!」
ギュッと俺の袖を握った。
「え、いや…俺、急いでて…」
彼女は少し考えてから俺を見上げて
「浅野くんのこと好きなの!」
泣きそうな顔をして言った。
「ご、ごめん。俺今彼女がいてですねー」
「え?そんなの聞いてない!」
いや、まだ誰にも言ってません。
「だから、ごめん。気持ちには答えられない」
「嘘よ…」
彼女は放心状態になりながらも
俺の袖をギュッと握ったまま。
じ、時間がー!!
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