「図々しいかもしれないんですけど、付き合ったんだし、同い年なんだし敬語ってなんか…他人行儀じゃないのかな…と思うんですが…?」
浅野さまは不安そうにわたしを見ている。
「付き合うのですから、敬語を使っているのはおかしいのです。同い年なのですからなお、気を使わずにお付き合いしたいのですよ」
東堂は耳元で浅野さまに聞こえないような小声で言った。
「そうですね!気を使うなど付き合ってることになりませんわ!浅野さま、わたくしが花園グループの娘ではなく1人の女として見て欲しいのです。」
そう言うと浅野さまは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「はい…」
「浅野さま、今度いつ会えますか?」
「えっと…あ、明日バイトないんで」
「明日ですね!では、学校まで迎えにきますわ」
「え、それは…やめてください」
困ったように浅野さまは俯いた。
わたし焦りすぎたのかしら?
「俺も男なんで女の子に迎えに来てもらうなんてできないよ。俺が迎えに行きますよ」
ニコッと笑った浅野さまがとても男らしくて
ドキドキして嬉しくて
「浅野さま!嬉しい!」
普通の恋愛ってこんな感じなのかしら。
なんて温かい気持ちになるのかしら。
.

