お嬢さまとの365日






チラチラと浅野さまはわたしを見て何か考えてる様子。


わたくしのことわかるかしら?


ジッとあたしは浅野さまを見つめた。




「あ、あの」

浅野さまが何かを言おうとしたとき、かき消すように

「浅野さま、とりあえずここはお邪魔になりますので外に出ましょうか」

東堂は言った。
浅野さまはハッとした表情をし、また悩んだような表情をした。

「はい…」

返事を聞き東堂が先頭で外に出た。

わたしも外に出た瞬間



「さっきはすみませんでした!急いでいたとはいえぶつかったのに…俺は慰謝料払えるほどお金は持っていなくて…」

振り返ると浅野さまは頭を下げていた。

「慰謝料ねえ」

慰謝料としてわたしにあなたの時間を貰うっていうのもアリだわ。

クスッとわたしは笑った。



やっぱり悪い人ではないわ。

一生懸命で優しい人。





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