お嬢さまとの365日






「そんな風にお願いされたら断れないのわかっていますね?」

「さすが東堂!」

はあ、と東堂はまたため息をこぼした。





「どんな人なのかしら」

バイト先を探してる道、わたしはドキドキしていた。



「どうしたのですか?」

「手帳を見てるとね、きっと浅野さまは優しい人なんだってわかるの」

「もしかして、一目惚れってやつですか?」

ニヤッと東堂は笑った。

「一目惚れ…そうね、そうかもしれないわ」

「えぇ!?」

「何驚いているの?」

驚いた東堂の顔を見てわたしは笑った。

「え、いや…だってちゃんと謝らなかった人ですよ?」

「さっきはそうだったのかもしれないけど、急いでいたのよ仕方ないじゃない?」

「お嬢さま、漫画みたいに全て上手くいくと思ったら間違いですよ?」

呆れたように東堂は言った。



わかっているけど、普通の恋愛をしてみたいの。
普通に生活している人と話す機会なんてないもの。

これは神様がくれたチャンス。



「わたくしは浅野さまと恋がしたいわ」





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