お嬢さまとの365日






「お嬢さまは優しすぎます」

はあ、と東堂はため息をこぼした。

「けど、生徒手帳よ?これがなきゃ困ってしまうわ」

ペラペラっと手帳をめくる。




浅野栄司さま。
明和大学付属高校の3年生。

「あら、わたくしと同い年なのね」

メモのところにはビッシリと何か書いてあって

「お嬢さま?」

真剣にそれを読んでいて東堂は心配そうにわたしの顔を覗いた。



「やっぱりこれがなきゃ困るわ!届けなきゃ!」

手帳を閉じて東堂を見る。

「お嬢さま…」

「浅野さまは悪い人などではないわ。手帳を見ればわかるもの。」

「けど、どこに…」

「大丈夫よ、バイト先がちゃんと書いてあるわ。ね、東堂お願い!」



ギュッと服の袖を掴んだ。




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