お嬢さまとの365日






「朝ね、樹さまに言っちゃったの。あなたとは結婚しないって」

東堂は一瞬驚いた顔をしたけどすぐに元の表情に戻った。

「東堂はお嬢さまの味方です。」



東堂はそれしか言わなかったけどそれだけで救いになった。






下町の商店街を歩いていた。

「みんな楽しそうね」

すれ違うたび、みんな生き生きとした顔をしていて楽しそう。

「ええ。お嬢さま羨ましいのですか?」

「そうね。一般の、普通の生活をしてみたいわ」



遠目でいろいろなところを眺めていると
それだけで胸が弾んだ。

「東堂、たまにこうして歩いてまた見てみたいわ」

「はい、喜んで」

東堂は優しく微笑んだ。



「たまに歩くのも…」

東堂の方を見た瞬間

「お嬢さま!」

東堂の叫び声とともにお尻に激痛が走った。



ドンっと思いっきり何かにぶつかり
飛ばされて尻もちをついた。





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