お嬢さまとの365日






「好きな人って誰なんだー!俺は諦めねー」



後ろからは樹さまの叫ぶ声が聞こえた。



お父様の耳に入るのも時間の問題でしょう。

お兄さまがいたのなら、と思う時がある。

嫌気がさしたお兄さまは高校卒業とともに家を出て行ってしまった。



今でも覚えている。

優しくわたくしの頭を撫でてごめんねと言ったのを。

今ならわかる。

お兄さまの気持ちが。





「時間がないわ」




運命の王子様。
どうかわたくしを助けてください。





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