お嬢さまとの365日






藤宮樹さまはお父様がよくしてもらってるお得意さまの息子さん。

婿にとお父様は言っていますが
こんな頭が馬鹿な人に営業が務まるのかしら?




「樹さま。わたくしには好きな人がいます、と言ったらどうしますか?」





その言葉に樹さまは驚いた顔をした。

「嘘!誰?!」

ガシッと両肩を掴まれたビクッとする。

「い、言えませんわ…」

プイっとそっぽを向く。

「そんなの…もう結婚は決まってるんだ。」



そう、結婚は決まってしまっている。

それを覆すなんて、今のわたくしには方法がない。



「美玲に親父さんを反抗できるのか?」

ニヤッと樹さまは笑った。



自分が1番わかっている。
お父様に反抗などできない。

けど、それを樹さまに言われたのがムカついた。



「わたくしには好きな人がいるんです。わたくしはその人と結婚したいのです。樹さまとは結婚などしませんわ!」

樹さまの手を払いのけペコっと頭を下げてその場から立ち去った。





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