「浅野ー悪いけどこれ資料室に運んで」

担任の上田に呼び止められたかと思えば
ダンボールと鍵を渡された。

「俺急いでるんですが」

むすっとして上田を見る。

「持ってくだけなんだから大丈夫だろ?」

微笑んでからひらひらーっと手を振り背を向け行ってしまった。




仕方なくダンボールを資料室まで運んでから
職員室に鍵を返しに行く。

「あら、浅野くんお手伝い?」

学校のマドンナ的祥子先生に呼び止められる。

「まあ、押し付けられましたよね」

はははと苦笑いした。

嫌な予感がして早くその場から立ち去りたかったのに



「お願いがあるんだけどー」

首をかしげてニコッと笑う祥子先生を前に断ることもできなかった。





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