「美玲、そろそろ樹くんも18歳だ。花嫁修行でも始めたらどうだろう?」
お父様がにっこり笑って言った。
「お父様、わたくしは樹さまと結婚する気など…」
「美玲、お前は花園グループの娘なんだ」
口にしたグラスをテーブルに置いた。
「わかっております。けど、わたくしは…」
「美玲!!」
お父様は声を荒げ、反射的にビクッとした。
するとスッと横から東堂の手が出てきた。
「旦那様、申し訳ありませんが美玲さまの学校のお時間ですのでよろしいでしょうか?」
何事もなかったように笑顔で東堂は言う。
少し落ち着いてお父様は目を閉じた。
「美玲、この話はまた今度だ」
「はい、お父様…」
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