わざわさ訪ねてくるなんて 「慰謝料だな」 俺の心を見透かしたのか真面目な顔をして真咲は言う。 「 だ、だよなあ」 「あの花園グループの令嬢だ。多額だぜ?」 「や、やめろよ」 冗談でもキツイって… 「浅野くーん!早く来てー!」 大声で店長の呼ぶ声、 助けを求めるように真咲を見つめたが首を横に振った。 「早く行け」 背中を押されて事務所の扉を開けた。 .