誰かが俺のまえにいる。


暗闇で顔が見えないけど、確かにそこには誰かが立っている。


『誰だ…?』



俺は問う。



そいつは何も喋らない。



『何とか言えよ!』



俺が少し大きい声で叫ぶと、ゆっくりゆっくりとそいつは近づいてきた。