「へぇ~んじゃ、これを流したのは神牙の奴だったって事か」
「すまなかった」
柚斗があたしに頭を下げる。
「いや別にもういいけど」
蒼に頼んで誰が流したか調べてもらおうとしたけど、どうやらその手間も省けたみたいだしな・・・。
あたしはまだ頭を下げ続けてる柚斗に頭を上げさせた。
んでも、まさかなー・・・
あの内容を聞かれていたとは・・・
「それと・・・その流した奴も連れてきた」
「へぇ」
「おい」
柚斗が少し大きめでそう呼ぶと
柚斗の後ろから、ひょこと出てきた。
・・・今まで柚斗の後ろにいたんだ。
気づかなかった。
「どうもすいませんでした」
「あー別にいい。顔あげろ」
あたしがそう言うと、ゆっくり顔を上げ始めた。
あれ・・・こいつ・・・どこかで見たな・・・。
「あ!お前・・・昔急に殴りかかってきた奴だな!『柚斗さんのマネすんなよ!!次出会うまでには、しっかり治しておけよ!』とか・・・えらそうに確か言ってきた奴だよな」
「えーと・・・なんの事だか・・・」
おいおい、目が泳いでるぞ・・・
「まぁ、いい。それに今回の事も許してやる」
「本当にいいのか?お前これから大変な目にあうぞ?」
「あ?大丈夫だ」
「・・・要」
「あ?」
「無茶すんなよ」
そう言って柚斗はあたしの髪をクシャッとなでた。
「やめろ、髪型がくずれるだろ?」
そう言いながらも、ちょっと嬉しかったりする。
「ふっ」
そんなあたしを見て柚斗は笑った。
それにドキッとした。
なんだよ・・・。ドキッて・・・。
「んじゃ、俺今日は早退するから」
「あぁ、じゃーな」
「お疲れ様でした!」
神牙の下っ端くんがあたしに頭を下げる。
その頭を一回撫でてからバイクに跨ってエンジンをかけて学校から出た。


