「加那・・・」
隼人は少し涙をためながら嬉しそうに笑った。
そんなすごくいい雰囲気につつまれていたのに・・・
「なに勝手に決めてんだよ、お前は」
その場に似合わない冷たい声が聞こえた。
この声は・・・
ゆっくりと後ろを振り向くと
「奏・・・」
がいた。
「総長だからってなんでもかんでも簡単に決めていいもんじゃねんだぞ!?」
「・・・」
奏が本気で怒ってる・・・。
「あの・・・加那は悪くないんです」
隼人が困惑しながら奏にそう言う。
「関係ねぇ!こいつが悪い!お前はもし闇龍の中で一人でも金狼と同盟をくむのを嫌がった奴がいたらどうするつもりなんだ!?」
「・・・」
あたしはそんな奏の言葉を聞いてピクッと眉を動かせた。
「確かに・・・勝手に決めたのは悪い。けど俺が認めた奴等だ。だからあいつらが嫌がるわけがねぇ!そう思ったから・・・」
そこであたしは顔を伏せた。
その様子を見て奏も反省したのか
「わりぃ・・・。けど、なんでも勝手に決めるのはいけねぇ・・・」
「あぁ、今回は悪かった」
「ま、金狼の奴等なら闇龍の奴等も喜んで受け入れてくれんだろ?」
奏はさっきまでの冷たい声とは違って優しい声でそう言って二カッと笑った。
そのおかげでさっきまでの雰囲気が嘘みたいに明るくなった。
「あたりまえだ。俺が認めた奴等なんだから」
加那も嬉しそうに笑った。