「あー・・・あせったー!」
私はあれからトイレには行かず、学校の中をぐるぐると歩いていた。
「まさか振られるとは思わなかったなー」
独り言を言いながらシーンと静まりかえった廊下を一人寂しく歩く。
後もう少しで角を曲がろうとした瞬間
「ぉわ!!」
誰かとぶつかった。
その時バサッと何かが落ちた音がした。
「いってぇー」
ぶつかったせいでこけた。
「ごめんごめん、だい・・・・女!?」
「え?」
いきなりブツかった相手が大声を出したから驚いて顔をあげた。
顔をあげると
「隼人!?」
「加那!?」
あ・・・思わず名前言ってしまった・・・
・・・あれ?なんで加那って分かったんだろう
その時やっと頭が楽なことに気付いた。
右横をみると、いつも要の時にしてるウィッグが落ちていた。
「・・・・」
少し固まって状況を理解した瞬間、私は顔を青ざめた。
ど、どうしよう
とりあえず他の人にも見られたらいけないから、ウィッグを急いで拾ってかぶった。
隼人を見ると固まっていた。
「・・・とりあえず話すから、学校からでよ」
私は固まっていた隼人の腕を掴んで歩き出した。
「おー・・・」