「で、君は?」

私が二人を観察してると、隼人が声をかけてきた。

「え?あー…山岡 加那」

「加那ちゃん?」

隼人が優しく聞いてきた。

「うん、ちゃんはいらない。加那でいい」


「んー…わかった。じゃあ俺らも呼び捨てでいいよ」

「わかった。」

女だからなのか、金狼はあんま警戒をしてきてない。

名前を教えてくれるほどだし。

そう思っていたら、突然隼人の声が低くなった。

「で、加那はなんでここに?」

やっぱり警戒してるか。


「たまたま通りかかったら、兼二が転けている所を目撃しただけ」



「な!?それを言うなよ!」


兼二は少し恥ずかしいのか顔を赤くしていた。


「ふーん」


隼人はまだ怪しそうな目で見てきた。


「なに?」


「いや」


隼人は勘がするどそうだな。

少し危険かもな…。


それから少しずつ喋っていくうちに、隼人は警戒をすることがなくなった。


「ふっ、おもしれぇな加那は」

「おー、ありがとう」

「こいつの何処がおもしれぇんだよ!」