「秀人誘導しろ」
「はい!!」
秀人は突然真剣な面になってバイクを走り出し始めた。
俺達はそんな秀人についていく。
だんだんと電灯があんまりない場所になっていって、ついには真っ暗になった。
なんとかバイクの明かりだけが便りだった。
「ここです」
突然前にいる秀人が止まり出したから俺達も一斉にバイクを止める。
前を見てみると、前乗り込んだ倉庫とは又違う倉庫だった。
取り敢えず加那に急いで電話する。
『なんだ?』
「加那?俺なんだけど…なんか訳わかんねぇ倉庫の前にいんだけど…」
『あぁ…たぶんそれ裏倉庫じゃねぇか?』
「裏倉庫?」
『あるんだよ、百鬼凰にはもう一つの倉庫が』
「へぇー…」
百鬼凰は金持ちなんだな…
二つも倉庫があるだなんて…
『奏…気を付けろよ?』
「え…?」
突然加那が低い声でそう言ってきたからびっくりして聞き返してしまった。
『もう一つの倉庫も潰しとくからよ』
加那はそう言ってプチッと電話を切った。
あらら、たく
もう我慢できなかったんだろうなぁ…。
やれやれと…。
「よし、やるか」
俺はそう呟いて又バイクを吹かして
ブォオオオォォン
ブォオオオォォン
先頭をきって、目の前の倉庫に向かってバイクをだした。