Black Queen【2】



俺は無言で左腕の傷を見ていた。


「千暁」


狭山蒼が俺の名前を呼んだ。


俺は傷からゆっくりと視線を狭山蒼に変えた。


「今からでも変われる」


その言葉を言われた瞬間何かがスッととれた気がした。


瞳から涙がポロポロと勝手に出てくる。


「なにしてんだ?」


けれど、その涙もある男の声でひっこんだ。


俺は肩をビクッと震わせ声のした方に振り向いた。