「和樹さん来るなら来るって言ってよ!」
「ごめんごめん」
母は嬉しそうな顔をしながら和樹さんという人の腕に自分の腕を絡めていた。
そんな母を和樹さんは愛しそうな瞳で見つめていた。
僕は…
今まで一度もそんな嬉しそうな母の顔を見たことなかったら唖然としていた。
そんな僕に視線を向けてきたのは和樹さん
「この子が蒼くん?」
人差し指をこっちに向けて母にそう聞いていた。
「そうよ、あの男とできた子供よ。」
母はそう言ってキッとこっちを睨んできた。
「ふーん。あの男って浮気した奴だっけ?」
「そうそう」
「へぇ、その男の間にできた子供…。つまり要らない子なんだ。」
和樹さんは冷たい視線でこっちを見てきた。
ただ怖かった。
この二人が怖かった。


