バッ自分の服をめくり上げた。 「左胸の下のこの傷」 そっと傷がある場所をさす。 「おまっ、なんだその傷」 幡山 千暁がその傷を見て大きく目を見開いた。 「だから殺されかけた事あるって言ったでしょ?」 「だ、誰に?」 幡山 千暁はかなり動揺していた。 周りの奴らを見てみれば全員じっとこっちを見ている。 いや、傷を見ていた。 ゴクンっと時々唾を飲み込む奴がいた。 そして、この異様な雰囲気に誰も喋れなかった。 「親です」