愛のない世界なんてない

「あっ」
裕次と争いをし続けていたら手に持っていた珈琲カップを床に落としてしまった。
「やだ…どうしよう!美知子さんに…何て言えばいいのかなぁ………っ」
私は驚きに動揺に焦りに、とにかく大変で仕方なかった。
「バーカ。怒られるよ」
「そんなぁっ!どどどどうしよーっっ」
慌てる私に対して裕次は落ち着いている。
「落ち着けよ」
「だだだだだだだって!よそさまの豪華そうな珈琲カップを割っちゃったんだよ!?」
私がそう言うと裕次は呆れたように私を見る。
それで私は裕次に注目されながら珈琲カップの割れた破片を拾う。
すると誰かが来た。
「おーい。危ないよー」
男っぽい声。
私の真上から言った主。
明らかに裕次じゃない事が分かる。
視線を上にあげる。
「…………圭!あんた同窓会じゃなかったの?」
「はぁ?同窓会?そんなの東京に戻ってからだよ」
圭にも呆れた顔をされた。
「嘘ー、昨日言ってたじゃん。同窓会同窓会って」
裕次が言う。
「うん、なんかその時が楽しみでね」
「ふーん」
「っでさぁ、危ないって、華ちゃん!」
と言って圭も破片を拾うのを手伝ってくれる。
私と圭で拾っていた。
それを裕次が上から見て私の名前を呼ぶ。
「…………華芽」
名前を呼ばれてまた視線を上にあげる。
「何?」
「俺が何とか言ってやるよ。だからもういい」