愛のない世界なんてない

それで珈琲を戻すため台所に行く。
「華芽」
「っ!」
裕次にいきなり名前を呼ばれてドキッとする。
「な、何」
私は後ろを振り向かず、横目で裕次を見る。
「好きな人誰」
?も付けないで言ってくる裕次。
「………………………内緒」
私はそう言って珈琲カップを洗う。
「はぁ!?俺言ったじゃん」
「そんなん関係ない!」
私は後ろを振り向いて迫力を出そうとしたらいつの間にか真後ろに裕次が立っていた。
ちょっとビックリした。
だけどなんか思った。
こいつ、背高い。
「関係ある!」
いきなりの大きな声にまたビクッとした。
「関係なーい!」
「ある!」
「ない!」
「ある!」
「ない!」
「ある!」
「ない!」
「ある!」
「ない!」
二人でずっと言い続けた。