愛のない世界なんてない






本当はコンビニなんて行かないし。
私はただ一君を探す。
絶対今くらいに中学校から帰ってくるはず。
「一君~」
……………………。
返事なんてあるはずない。
だってここにいないから。
なんか舞妓さんの踊りとかやってる…。
和風の建物、旅館、ホテルが邪魔だ。
だけどそれでも一君を探す。

「一君どこー?」
川らしき所まで来た。
でもいない。
絶対家に帰ってない。
絶対に。
「一く………」
ドンッ




誰かにぶつかった。
「痛っ……すいません」
私はふらついた。
「おっと、大丈夫か?」
「は、はい!」
「…………何敬語使ってんの?」
「え?」
私はその人の腕を掴んでいてもたれている。
その主を見た。



裕次だった。
「裕次?」
「そうだよ。何、誰か探してんの?」
裕次が聞く。
「うん。一君を」
「一?家に帰ったろ」
裕次はそう言った。
「絶対家に帰ってないよ!」
私は声を大きくして言う。
「絶対そんな人じゃない!絶対家にすぐ帰る人じゃない!」
「とりあえず、離せ」
「………え?」
私は惚ける。