とうとう今日帰ってしまう。
お母様に昨日訳を言ったのだが、ダメと言われ今日帰ることになってしまった。
しかも朝九時発の飛行機に乗るため、朝八時にはここを出る。

只今六時。

早朝の。

みんなも起きていた。
私は起きた後すぐ尋斗を起こした。

残念ながら咲ちゃんはいない。
理由は美知子さんに許可を取ったらいいよと言ってくれたが、優ちゃんが迷惑掛けるとダメと言うから携帯に着信が100件近くあったらしい。

恐ろしい、優ちゃん。





「おはよう」
裕次が尋斗の部屋に入ってきた。

「裕次……」

「今日帰るんだな、準備できたか?」

「お友達にお土産買ってない」

「まぁどんまいだなそれは」
裕次は寂しそうな顔をした。
尋斗も朝から元気がない。

「あ~ぁ……みんなとお別れかぁ……」

私はショックだ。

みんなと一緒にいたかった。

「大丈夫だよ、僕たちも華ちゃんの地元行くから」
優しく微笑む尋斗。

まるで天使だ。