愛のない世界なんてない


「うん…………」

咲ちゃんは真剣な眼差しをしていた。

「咲…安心しろよ!俺が粘ってみるから」

「うん」
咲ちゃんは裕次の服の袖をキュッと握った。

私…………ここにいちゃいけないような感じなんですけど………?

「それじゃあ…私は下に行くよ……苦笑」

私は階段を降りた。


まったく…裕次ったら裏ではラブラブなくせに、皆の前では強気になっちゃって。

「あ、華ちゃん」

「何?」

圭がリビングにいた。

「電話きてた」

「誰から?」

「分かんない。しかしよくここの番号なんて分かったよね。華ちゃんのストーカーかなぁ…?」

背筋がぞっとしてきた。

宮迫だったりして…そしたらめっちゃ怖いわよ…。

「確か名前に《み》が付いた!」
手をパンッと叩く圭。

やっぱり宮迫じゃぁぁぁあん!!

「ねぇ、もしかして…宮迫?」
私は答えを言った。

「違う」

はぁぁぁぁぁあ!?
宮迫じゃなきゃ誰がいるのよ!

「女だよ…内容は…」

「女の私に女がストーカーとかないしっ」

「いや……普通にあるでしょ。それで内容が…」