愛のない世界なんてない


「良かったらどうぞ」
余りのチケットなのか、私と圭に二枚くれた。



「なんの楽器やってんの?」

「トランペットです」

「どんなのだっけトランペットって」
私は圭に聞いた。

「ラッパだよ」

「へぇ~」

私達が話してたら玄関から誰か入ってきた。

「お邪魔しまぁすっ」

ガチャッとドアを閉める音にここまで来る廊下で鳴る足跡。

あぁ、誰か来る。

「チケット買ったんだよぉ!」

やってきたのは女の子だった。
その女の子が来たら瀧口君は尋斗の後ろに隠れた。

「尋斗君はい!!」

「ごめん唯ちゃん、瀧口先輩から貰いました…」

「瀧口くん!?…………あぁっ!!」

そのこは瀧口君が居ることが分かった。

「ねぇ、裕次にもあげちゃった?」

「まだですよ」

「じゃあ裕次にあげて咲ちゃんにもあげるね私…せっかく来たのにぃ…ってこちらさんは?圭君の彼女?すごい可愛いけど…」

そのこは私をまじまじと見る。