小学校六年生。
咲と初めてのクラス。
咲とはじめて喋った。


「ねぇ、ここどうやるか分かるかな」

そう聞いてきたのは咲だった。
数学のやり忘れた宿題を俺に聞いてきた。
中学校に向けての予習。

「……何それ、分からないや…」

「だよね!難しいね。裕次君は理数系好き?」

「いや…別に…」

「えへへ、だよね」
笑った咲と初めて喋ったのは小学校六年生で俺はそんな咲が好きになった。


肩につきそうなぐらいの髪の毛。
くりくりした目。
白い肌。

すべてにおいて愛おしく感じた。


「裕次君…あのね、もう小学校卒業するから文章書かなきゃいけないんだけど紙渡したっけ?」

「ううん…」

「じゃあはい。あげるね…って裕次君顔赤いよ?どうしたの?」

俺の顔を覗き込んだ可愛い顔。