「何やってんの?」


急に後ろから声がして、私も莉奈も振り返った。


「クラス表見るために望遠鏡使ってる奴とか、初めて見た。」


そういいながらこっちを見ているのは、

…ちょっと怖そうな…校則違反の金髪男子だった。



「あ、唯馬じゃん」


莉奈は知ってる人みたいだ。


「古宮、お前相変わらずアホみたいな事してんな」


「うっさいなぁ!そんな唯馬こそ何やってんの?どうせクラス表見てないんでしょ?」


「…残念。ほらよ」


そういって見せてきたのは、携帯の画面だった。


「うわっ写メってやがる…!ご丁寧に全クラス分…」


どうやら、クラス表の写真が撮ってあるようだ。


「拡大拡大っと…え、ちゅりーっクラス同じだよっ!」

「ほんとっ?やった!!」


「、ちゅりっていうの?」


唯馬と呼ばれる人に聞かれた。


「え、あ、いえ…智優梨っていいます…、ちゅりは莉奈からのあだ名で…」


急だったので戸惑ってしまった。


「ふぅん…」


いきなり話しかけられてびっくりした。


「それにしてもよく撮れたね。あんなに人たかってるのに。」

莉奈が言う。


「ああ…邪魔っつったら全員どいた。」


「唯馬見た目怖いもんねー」
そういって笑う莉奈。
こんな事言えるとは、よっぽど仲がいいんだろうか。