Poison【短編】




と。

やはり、ドアの所にいるのはあの凛とした彼女。室内全員の視線を集めながら、俺は足早に彼女の元へと歩み寄る。



「突然、すみません。」

「ああ、いいよ。それよりどうかしたの?また絡まれちゃった?」

「…いえ、そういうわけでは、ないんですが…」

「ん?」



ごにょごにょと言葉を濁す彼女の様子は、あの凛とした態度から一変。


少し頬を赤らめ俯いてしまった。




どうしたんだと首を傾げる俺の横を通り過ぎる友人が、彼女に向かってにやついた顔で「こいつ鈍感だから」と言って出て行く。


それを聞いて俺は馬鹿にされた感がしてムッと眉を寄せる。



不意に視線を彼女へと落とすと、困ったように笑いながら俺を見ていた。笑った顔を初めて見たから、その笑顔の綺麗さにどきりとした。




「…お時間、空いてますか?」

「大丈夫だけど…、あ、じゃあついでに昼飯一緒に食べよっか。」

「わざわざすみません。」



ぺこり、頭を下げた彼女に俺はいいよと微笑む。