二人とも、目を引く容姿をしているのだが。


それでも、俺の視線が釘付けになったのは。肩までの艶やかな黒髪を揺らし背筋を真っ直ぐにして歩く、そう、゙綺麗゙という言葉がピッタリな彼女だった。



同級生の次のターゲットは、その二人にロックされている。

軽い感じで声をかけるそいつらを、俺は数歩後ろから眺めていた。




「新入生ー?」

「入りたいサークルとかあんの?」

「良かったら俺等のサークル入んない?」



無遠慮に近寄る同級生達に対し、ぐっと彼女の眉間にしわが寄ったのが見えた。

それはもう、とことん鬱陶しそうに。



が。

そんなんは彼女達の容姿に夢中になっているそいつらには伝わらなかったようで。




「……どんな、サークルなんですか。」




嫌々、質問をして来た彼女に嬉しそうに声を上げた同級生達は。自慢げにしょうもないサークルについて説明を始めた。