「興味ない。」


そう、凛とした声で言い捨てた彼女は自分が今まで生きてきた中で出逢ったどの女よりも綺麗だと思った。




「ちょ、若菜…!」



風に靡き、肩に触れるくらいの黒髪を苛ついたように耳にかける彼女は俺が通う大学の新入生のようだ。

名は、隣に立ち焦ったように服の裾を引っ張っている友人の子が言った




――――若菜、というらしい。



「そんな合コンまがいなことばっかりしてるサークルに、興味ありませんから。」

「わ、若菜!」




…現状を説明すると。
5分ほど前だ。


俺は大学2年生で、サークルの新入生勧誘に(無理矢理)連れて行かれ同級生の何人かと主に女子に声をかけていた。


やる気なんて出ない俺は、同級生の勧誘の輪にふらふらと着いて歩くだけ。



そんな時。同級生の男共の高揚した声が聞こえ怠惰な動作でそいつらが向けている視線の先へと自分も視線を送る。


そこには、こちらに歩いてくる女子の二人組。