「店長うざー。」

ぽつり、独白に呟く。


「それは僕目の前にして言うことかな?」


…と言っても、そう、相手(店長)は目の前にいるがこの胸の気持ちを伝えたくて。

もれなくもう一回呟いておこうか。


「店長、うざー。」

「ははっ、減給ね緑くん。」

「……すみません。」


それは困る。俺がペコリと頭を下げると店長は満足げにふっと笑い珈琲を飲み込んだ。あーうぜうぜうぜ。

あ。一応言っておくけど俺と店長のラブな話とかじゃないからね。誤解しないでね。こんなオッサン興味ないから。




「じゃあ店長、よろしくー。」

「あー、ほんと君ムカつくね。」


その声ににこっと微笑みを返し俺は右手をひらひらとさせながら店長の部屋を出た。

俺がお願いしたのは…、まあ、彼女と俺の大切なことへの参加だ。



と。
廊下の向こうから凛とした一人の女の子。


「茉ー希ちゃーん。」

「お疲れ様です。」