…それ、反則ですよ。
「私も、純さんの行きたい所がいい。」
「俺の真似するなよ。」
「だって私も同じ答えなんだもん。」
「はあ？あー、まあじゃあ…」
そこまで行って、純さんは困ったように眉をよせ前髪を掻き上げると、片方の手でズボンのポケットから煙草を取り出す。
箱から一本細長いそれを口にくわえ、ライターで火を点けると。
深く吸い込んだ紫煙をゆっくり吐き出し、人差し指と中指にそれを挟み、一度口から離す。
その仕草からもﾞ大人ﾞを感じさせられ、彼の全てが狡いと思う。
「家で、過ごすか。」
「うん。」
私は、純さんといれるならどこでもいい、と言い微笑むと。純さんはふはっ！と声をもらし瞳を細めて笑う。
そして、私の頭を乱雑に撫で……チュッとリップ音を響かせながら額にキスを落とす。
「嬉しいこと言うね。色々と誘ってんの？」
「なっ…！」
……純さんの、綺麗な顔や色気ある仕草にはﾞ毒牙ﾞが隠れている。
