チラッと上目遣いになりながら見上げた瞬さんの端正な顔。
その視線に気付いた瞬さんはまたゆるりと笑う、…と。次の瞬間にはグッと身を乗り出し私の首元へ顔を近付けたのだ。
「(ち、近い…ッ!)」
「…マグリフ。」
ぼそり、呟いた瞬さんの熱い吐息混じりの声が直に肌にかかる。
ぞくりと背中を駆け上がる甘い痺れを、体は顔を赤くさせることで面に出す。
首元に顔を埋めているから瞬さんには気付かれていないのがの救いだ。
「君によく似合う。」
「…瞬、さん?」
「ねえ、この香水の意味、知ってる?」
「知りません…。」
呟いた私の首筋から顔を離した瞬さんは、小さく微笑む。
と。
「゙私のサイン゙、だよ。」
「へえー…、」
「僕にどんなサイン、送ってたの?」
「ど、んなサインって…。」
くすり、くすりと笑う瞬さん。レジ越しの、密着。ああ…今度こそ心臓が壊れそうだ。


