「では、手早く片付けさせていただきます」


レインが独り言のように呟いた。

瞬間、垂直に墜ちる雪が風を受けて渦を巻いた。



消えた――…



「失礼」


「!」


背後から襲いくる殺気を感じて、クラウンはその場を飛び退く。

道標でも建てるかのごとく、レインがレイピアを地面に突き刺していた。


顔はうつむいたまま目だけでクラウンを捕らえると、二撃目が向かってくる。



「速いですね…」


クラウンは彼女の攻撃から身を躱すと、剣を持つ腕を捕らえ腹を蹴りあげた。


無論、彼女が参るとは思っていない。