「お名前をお伺いしなければ呼び用がないでしょう?」


それもそうだが。

ある程度思案して、彼女は口を開いた。



「レイン、と名付けられました。」


「レインさん」


「はい。」



レインは下げた剣を胸まで上げて構えた。

切っ先はクラウンに向けられている。



「本日は我が主の命令でお宅の主を手に掛けに来ました。

邪魔をなさるなら切りますが…」


なさりますよね、と言う答えを期待しているような顔。


クラウンはにっこり笑って、「もちろんです」と答えた。