「旦那様!!!!」 息を切らせ、ノックもせずに扉を開けた。 鍵はかかっていない。 飛び込むと、暗い室内に見慣れない影がつったっていた。 クラウンは明かりも点けずにその人物の首に刃を押しあてた。 「動かないでください」 あくまで、主人を起こさないためと主人の部屋を汚さないため。 立ち尽くす彼女は微動だにせず、眠っている人物を凝視している。 「――――ぐすっ」 ぐす? 重苦しい空気に不釣り合いな、なんだろう、そう。 鼻をすすったような音。