屋敷の戸締まりを確認する彼は、ふと窓の外に舞う花を見た。


雪――…。


初雪である。



「ああ、道理で冷える筈ですね」


一人納得して、クラウンは暫く窓の外を眺めていた。


屋敷が暗闇に染まりつつあるというのに、空は何故だか月明かりが眩しくて。



まるで額縁の中の絵画が時間を取り戻して動いているようだった。