「『壊せ』!」 叫んだ呪文は意志を持つ。 クラウンを囲む氷の壁はにょきにょきと鋭い角を作り上げた。 「惨い真似をします。 しかし、これも我が主のご命令故ですわ」 笑いもせず、レインは氷山の中の黒を見つめた。 さあ壊せ。 おそらく今頃は氷柱があの執事の身体を貫いているだろう。 ――…と、思ったのだ。