レインは再び雪を掻き回して消える。
同じ手を。
四方に神経を尖らせ、クラウンは彼女が現れる一瞬を待つ。
すると前方から風が唸る音がして黒い剣がクラウンの心臓目がけて向かってきた。
槍で受けとめて跳ね返し、隙ができた脇腹を狙った。
ドスン
鈍い音が槍から伝わる。
しかし目の前の女は涼しい顔を作って左手で槍を掴んでいた。
取り上げはせずとも右手のレイピアが槍を折った。
「だから女扱いするなと言ったでしょう」
刃は方向を変えて今度はクラウンの首を狙った。
攻撃を庇って身を躱したと同時にクラウンの肩が紅い雫を飛ばしていた。


