その後泣き止んだ私達は代わる代わるこれまでの説明をした。



「……そうか、遊んでいたら迷子になっちゃったのか。大変だったね。
ご両親はお家かな?」



ぽんぽんと宥めるように私達の頭を叩きながら熊のおじさんは聞いた。



「おとーさまも、おかーさまもきょうはおでかけなの!」



「だから、ふたりであそんでたの!」



「そうなのか。家に帰れないとなると……私の家に来るかい?
こう見えても私は村長でね、困っている住人を見つけるとついつい助けたくなるんだ」



「そんちょーさん?」



「ああ。ここに長くいたら自然とそうなっていた」



「そんちょーさん!」



「そんちょーさん!そんちょーさんのおうち、いきたい!」



「そうか、そうか。ではお嬢様方、失礼して」



返事を聞くなりいきなり熊のおじさん……改め村長さんは私達を軽々と抱きかかえ、その広い肩の上に乗せてくれた。



「わーっ、わーっ!」



「たかいよ!そんちょーさん!」



「わっはっはっは!それだけが取り柄だからな。
さぁ、出発だ」



真っ白な景色の中、私達三人は村長さんの家へと歩き出した。