「うっく……ひっく、りーにあ、さむい」
「ぐすっ、さむいね」
冬の短い日照時間も手伝って日がどんどん暮れていく。
それに比例して気温も下がっていく。
私達は夕暮れの凍えるような寒さの中二人だけで泣いていた。
このままここにいたら死んでしまう。
最悪の考えに行き着いてまた涙が頬を濡らそうとしたその時。
「おや、こんな所で何をしているんだい?」
涙で曇った瞳が映したのは、熊のような大男。
「嗚呼こんなに泣きはらして。……もしかして、迷子かな?」
涙を拭ってくれたその手が温かくて。
それ以上に見つけてくれたことが嬉しくて。
「うっ、うっ……ぐすっ」
「ひっく、」
「「びええぇぇぇぇぇえええん!」」
「おっと。どうしたんだい?困った、私が原因かな?怖くないよ、何もしないから泣き止んで、ね?」
いきなり泣き出した私達に困惑しながら必死に慰めてくれたことを覚えている。
この時はいつまでも涙が止まらなくて、随分困らせてしまった。

