「……リーニア」
「あはっ!あははははは!愉しい。愉しいよ。あはははっ!!」
狂喜。
そう呼ぶのが一番近いだろう感情がリーニアを支配する。
「リーニア、ちゃんと目的わかってるよね?」
狂っていく姉の姿に全く動じず妹は問う。
「お母さんを倒す!」
血のように紅いその瞳を爛々と輝かせ、新しい玩具を前にした子供のようににんまりと笑って答える。
「……くっふふふふっ。間違ってない」
姉の答えに妹は笑いながら姉と同じように髪は白く、瞳は紅く変貌する。
「妹、死なない程度に頑張ろうか」
「了解」
そしてちょいちょいと手招きをして妹を引き寄せ、姉は何かを耳打ちする。
一度姉の顔を見て妹は考え込むように視線を床へ落とす。
そして、姉をまっすぐ見て首肯した。
「なぁに?作戦会議?」
「お母さんが強すぎるの」
「あら、あたしは本気のほんの一部も出していないけれど」
苦い顔でため息をついた双子は、やはり高速で移動を始める。
しかし、先ほどまでの速さとは比べものにならないくらい速い。
軌跡すらも確認は難しい。

