「妹っ!!帰ってきてたなら一言ぐらいあっても良いじゃない」



「妹……って。確かに呼び方を面倒くさくしたのは私だけど、双子の片割れに言われるのはちょっと……」



案の定台所で朝食の準備をしていたリーニアと瓜二つの人物。


一卵性双生児としてリーニアより少し産まれるのが遅れてしまったために、リーニアの妹となった吸血鬼。


背丈から体型から黒に近い紫の瞳に至るまで、全く区別が付かない程に似ている二人。


唯一違うのは妹の髪が短いくらいか。



「それに、母様にはリーニアを起こさないでって言ったはずなんだけど」



困ったように眉を寄せながらスープの味を確認する。


今日はコーンスープのようだ。



「あら、それはあなたのお願いを叶えるには姉を起こさないといけなかったからよ」



「母様。……リーニアを起こさなくたって願いは叶えられると思うけど?」



降りてきた母親にコーンスープを小皿で差し出す。



「ん、美味しーい。やっぱり妹が家にいるのはいーわー」



問いには全く答えずにもっと!とねだる母親。


駄目だと言われてしゅんとなる姿はとても17歳の(以下略)