朝日が昇って間もない頃。


まだ朝靄が薄くかかっていて、鳥達もようやく鳴き始めた。


時刻にして午前5時。



天神学園高等部三年生の五十嵐 おんこは、










――走っていた。










五十嵐家の近くにある自然公園。


そこで30分ほど前から走っていた。


天神学園にも制服があるというのに全く気にせず毎日着ている袴姿である。