「太一!欲しいものがあるんでしょ? ちゃんと言って?」 「・・・もう、貰ったから。」 ・・・貰った?誰に?いつ?どこで? 「帰ろ。暗くなってき」 「冗談じゃないわよ!」 「ね、姉ちゃん?!」 私は・・・泣いていた。自分が弟の 欲しいものも買ってあげられなかったことが 悔しくて・・・。 「ちょ、ちょっと待った!ここはマズイって! こっち来て!」 私の右手を握って走り出した太一。