詐欺師の執事と嘘つきな私。







10分程で目的のホテルに着いた。
やたらと大きなこのホテルの最上階でオークションが開催されるらしい。

ホテルに入ると真っ直ぐにエレベーターに乗る。
こんな人が多いロビーになんて居たくない。

「お嬢様。会場は25階でございます。25のボタンを押して…っと、失礼しました。お嬢様の背ではその高さは届きませんね。」

フフッと笑いながら左手をパネルに伸ばす執事の脇に、右ストレートを放つが軽く避けられる。